経済と世相

メディアの逆襲。アンチ新自由主義の記事が堂々と出る。クルーグマンの記事などが典型。ネットはあんぐり。ネットとメディアが同期を取る。こうなるとメディアは足を運ぶだけ強い。ただし、タブーが多いので、ネットはタブーを狙えば集客できる。さて、世相がやばい。経済が下向くと世相は非常にやばくなる。きょうのメモは、株式日記と経済展望。ブログ主とは政治スタンスがまったく相容れないが、経済記事はいつも敬服している。http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/95cbf87712033b7b63aa35c3ada322e0

株式の出来高が30億株から20億株に激減しているようですが、外資系が売買の6割以上を占めていたのだから、外資の売買が半減した事で10億株も減ってしまったのだろう。アメリカのヘッジファンドは解約の続出で資金量が半減してしまった。10月11月は解約売りによるもので、竹中平蔵氏や木村剛氏は構造改革が足りないからといっていましたが、全くの嘘であり、ヘッジファンドの解約売りだったのだ。

11月中で一段落するのでしょうが、アメリカのヘッジファンドの解約売りがこれからもだらだらと続くだろう。ヘッジファンドに資金を供給していたのはゴールドマンやモルガンなどの投資銀行ですが、投資銀行自身の破綻によってアメリカのヘッジファンドの資金源が断たれてしまった。

投資銀行自身は商業銀行に転換する事でFRBからの資金が得られるようになりましたが、FRBの規制を受けるようになって、今までのような営業は不可能になった。90年代からの投資銀行ヘッジファンドはまさに無敵であり、日本の証券会社は株が売り崩された事で山一や三洋証券は倒産してしまった。

これで日本の証券会社は銀行系を含めて営業力を落として、日本の投資家の多くが資金運用を外資に委託するようになった。個人はネット証券などに切り替えたから、国内の株式売買のシェアは外資系証券会社が6割以上を占めるようになった。

外資系ファンドは先物と現物との売り買いの両建てでヘッジをかけながら投資するからヘッジファンドというのですが、株が上がっても下がっても利益が上がる投資法であり、90年代は先物を売って売り崩して現物を買ってきた。最後は銀行株などを無制限空売りメガバンクを破綻寸前にまで追い込んだ。

ようやくアメリカでもヨーロッパでも空売りが規制されましたが、証券会社はジェイコム株事件で分かったように発行株式以上の空売りも出来る。山本清治氏のブログにも書かれているようにヘッジファンドの借株による売り浴びせはPKOによる買い支えを撃破していった。

日本の証券ディーラーは所詮サラリーマンであるのに対して、ヘッジファンドのトレーダーはプロ中のプロであり、勝負にならない。日本の株式投資信託は元本割れ続出なのにヘッジファンドは年に20%30%の高利回りのファンドが続出した。まさに佐々木俊尚氏が言うようにヘッジファンドのマネージャーが世界を支配しているように思えた。その秘密はどこにあったのだろうか?

アメリカは製造業を棄てて金融立国を国の産業政策とした。まさにゴールドマンやモルガン・スタンレーは国策会社であり、ルービン財務長官やポールソン財務長官のように投資銀行のCEOが政権の中枢でアメリカ経済を動かしてきた。日本で野村證券の社長が財務大臣になるようなことは考えられない。

アメリカの経済戦略や政治戦略が投資銀行を通じて動かされるわけですが、90年代からゴールドマンサックスなどは中国への投資を戦略として立ててきた。まさに日本の株式を売って中国の株や不動産を買い捲ってきた。クリントン外交政策も中国が中心であり日本は円高で79円まで吊り上げられて輸出産業は中国進出を強いられるようになった。

つまり日本から資金をゼロ金利で供給させてアメリカの投資銀行に流れて、投資銀行は中国などのBRICs新興国に投資して投資利益を上げてきた。日本のような金持ちでお人好しは格好のカモであり、アメリカから言われるままにドルを買い米国債を買い続けている。その資金が投資銀行に回るわけだ。

ヘッジファンドの投資対象は株から債券から石油や不動産や為替に至るまでワールドワイドの投資であり、1997年のアジア金融危機もソロスなどのヘッジファンドが仕掛けてタイやインドネシアや韓国などが破綻した。そしてハゲタカのように死に体の企業を買いあさっていった。まさにアメリカ金融帝国主義があからさまになった時だ。

その当時のアメリカはITブームでもあり、ITによる企業運営は恒久的な繁栄をもたらすような幻想を世界に振りまいた。しかしエンロンワールドコムやLTCMの破綻は今日のアメリカの金融破たんの前触れでもあったのですが、グリーンスパンFRB議長は住宅投資ブームでITバブル911テロの危機を切り抜けようとした。

この頃が投資銀行の絶頂期であり、投資銀行の社員やファンドのマネージャーに億万長者が続出した。その光景は日本のバブル期そのものであり、彼らは都心の超高級マンションに住んで飛行機はファーストクラスで移動した。しかしアメリカもバブルの崩壊は例外なくやって来た。

無敵を誇ったヘッジファンドも、90年代の日本の証券会社のような破綻が相次ぐのだろう。しかし株や不動産の下落もまだ30%程度であり、日本みたいに五分の一になってしまったわけではない。それでも金融恐慌が起きてしまったのはCDSのような金融商品の規模が大きい事と、レバレッジを効かせた投資がわずかな値下がりで壊滅的な打撃をもたらした。

アメリカの企業も個人も過剰な債務を負ってこれから返し続けなければならない。政府も公的資金で金融機関を救っていますが、国家自身が破綻の危機に直面する事になるだろう。アイスランドは破綻してハンガリーウクライナも危ない。フランスのサルコジ大統領は「ドルはもはや基軸通貨ではない」と発言しましたが、そうなればアメリカも破綻する。